【DIY】太陽光発電用リチウムイオン電池を作る【組電池】

【DIY】太陽光発電用リチウムイオン電池を作る【組電池】

【状況】

前回の記事(【DIY】電池タブ用のスポット溶接機の制作【組電池】)で作ったスポット溶接機を使って、リチウムイオン電池パックの制作に取りかかりました。
この電池パックは、別に用意する50Wソーラーパネルを使ってWEBマスター宅の階段室兼廊下のLED照明の電源用に制作しています。仕様は、充電時の最大充電時電圧12.6Vなので3直10.8Vで2本並列づつの合計18650型リチウムイオン電池を6個使って制作します。LED照明が12V用なので電圧変換なしでそのまま使える電池ということになります。2本並列になったのは、50Wソーラーパネルが最大2A程度供給しますので並列にしてリチウムイオン電池の推奨充電電流を超えないようにします。

 

【18650型リチウムイオン電池の注意事項】

  • 生電池(保護回路なし)なので組み電池にする場合は保護回路を組み込むことによってショートや過充電、過放電から守る。
  • 高温での使用、保管や湿度が高い場所に設置しない。
  • 満充電状態で長時間放置すると劣化が激しくなるので工夫する。
  • 1C以上での急速充電は避ける。今回の場合は、並列にして対策。
  • 放電深度を低くする。完全放電と完全充電を避ける。組み電池の設計に余裕を見る。
  • 長時間使用しないときは電池容量50%ぐらいになるようにして保管する。
  • 電池に衝撃を与えたりパッケージに損傷を受けないように保護する。
  • 規定の充電電流、電圧を守る。

【制作開始】

今回、用意したリチウムイオン電池18650型は、ちょっと前にセンゴクさんで買って放置していたもの。
2020年はあまりもいろいろな出来事(コロナ騒動やWEBマスターの人生における諸事情)があり、やっと、電池パックを作成に取りかかれるという状況である。計画から1年以上経ってしまった。

幸いときどき電圧を確認していたしサーバーが置いてある年中温度管理(夏はエアコンフル)している部屋においておいたので劣化は少ないだろう。

センゴクさんで売っていたたぶん、中華セル電池である。公称電圧3.6V 9.0WhなのでW=VAより2500mAhのリチウムイオン電池である。

これを2本並列にして、それを3直の6本で組電池(電池パック)を作る。公称電圧10.8V 2500mAhにんり並列なので5000mAhで理論値54Whのバッテリーになる。30WのLED照明を2時間近くは点灯させられる容量で人感センサーで制御されるLED照明なら数日間、雨や曇り空になっても電池が空っぽになることはそうそうなさそうである。

つまり、トイレの方にも配線を追加して停電時などに廊下と階段室とトイレは、独立型太陽光発電の電気で点灯させようという計画なのである。

ということで、取りかかりましょう。まずは、2本づつの4本を仮に固定。

スポット溶接キットと一緒に買った電池タブ用ニッケル板をハサミで切ってサイズを調整してマスキングテープで仮固定。

自作したスポット溶接機でニッケルの電池タブをスポット溶接(抵抗溶接)します。同時に2カ所できます。

1カ所電流が集中して火花が弾けてガッチリスポットに。
基本的には、手で引っ張っても簡単には剥がせない強度でくっついています。無理矢理剥がすと電池側の金属が少し削れて剥がれます。

電池のタブをスポット溶接するのは、ハンダ付けだと内部に熱がかなり伝わりますので電池に悪影響を与えて寿命が縮まったり電池にダメージを与えてしまうようです。たしかに広い金属面をハンダ付けすると周囲もかなり熱くなりますね。

電池タブのスポット溶接の場合は点部分のみに瞬間的に溶着されます。電池内部に熱が伝わるほどにはならずに済みますので電池へのダメージが最小限かつ電池ボックスのように、バネ部分の接点抵抗がありませんので電池を何本も組み合わせて使う場合は電気的にも有利になります。

今の電池の状況図

2本並列を3直に組み合わせてニッケル板をスポット溶接。

電極面に絶縁と電池固定用のPPシートを張ります。

PPシートの上にバッテリーマネージメントシステム(BMS)の基盤を置きます。

この基盤は、リチウム電池をショートや過放電、過充電、セルバランスの監視を行いリチウム電池を保護しますので必須になります。

底面も同じように処理し、中間の電圧用の電極をBMS基盤へ。電池の外装保護用にビニールテープを追加。

電池の各電極を基盤の端子にスポット溶接で固定。見た目がスッキリしますね。

P+とP-が電池の入出力になります。

一応、完成したので外装を装着する前に、テスト充電します。

B6バランスチェンジャーで3直の10.8V設定にして、12.3Vまで充電します。

この電池は、公称電圧3.6Vになります。

充放電のテストOKなので外装を装着していきます。

カプトンテープで絶縁して固定しおきます。
耐熱用のテープなのでビニールテープのように熱で溶けたりはしないテープになります。

ケーブル固定箇所が近すぎて嫌だったので電極間は、UVレジンで絶縁固定しておきました。

落とした場合などに衝撃で接触すると面倒です。

周囲の電極もカプトンテープで絶縁。

熱収縮ビニールに入れて電池パックにします。

周囲を圧着。

ヒートガンで炙りながら、収縮させて密着させます。

ちょっと、ぴったりしていない感じですが完成です。

今回のリチウムイオン電池パックの仕様

本数(2本並列3直) 6本
公称電圧(3直) 10.8V
容量 5000mAh
充電電圧 12.3V-12.6V

作った電池パックは別記事で作成するソーラー充電式LED間接照明の電源になります。

【完成】

スポット溶接機の製作記事→【DIY】電池タブ用のスポット溶接機の制作【組電池】

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