【DIY】電池タブ用のスポット溶接機の制作【組電池】
【DIY】電池タブ用のスポット溶接機の制作【組電池】
【状況】
今回は、何年も前に買った【コンデンサ式スポット溶接機】を組み立てて別売りのケースに実装してみました。
なぜ、このスポット溶接機キットを買ってずっと放置していたのかと言えば、電動インパクトレンチのバッテリーパックの中の電池を自分で組み替えようと思っていたからですが、電動インパクトレンチを早急に使わなければいけない案件があったので交換バッテリーを買ってしまったのでこのキットはとりあえず、不要となりしばらく休眠することに。
まだ、当時はリチウムイオン電池が現在(2020-10)のように普及する前でしたのでニカドバッテリーでしたのでへたりが早かったのです。
そして、数年たち、新たな任務の為に眠りから覚めてもらう事に。
新たな任務とは、【リチウムイオン電池の組電池】の製作です。つまり、自分の使いたい用途にあったバッテリーパックを作るためのタブのスポット溶接をする為です。
組み電池の製作は別記事で紹介しますので今回はコンデンサ式スポット溶接機を作っていきます。
【製作開始】
スポット溶接機のキットは、数年前にエコミュさんで購入した物です。
現在(2020.10)では、販売していないようです。
内容は、ケースはなしですが、それ以外は、50V耐圧15000μFのコンデンサや電子制御スイッチの為のFETが14個(予備2個)や配線、電球、フットスイッチなどが入っています。マニュアルもあります。
このキットの回路要旨は、下記の図の通りです。
※とても簡略した図なのであくまでイメージです。
コンデンサCにDC24V電源から電荷をチャージしてニッケル板などに当てた電極棒にスイッチONで大電流を一瞬流すとニッケル板と電池の表面金属との間の抵抗の発熱でニッケル板がスポット的(点状)に溶着されます。電極棒は銅なので抵抗が小さいのでニッケル板にはほぼ溶着せずニッケル板側がくっつきます。実際には、電子スイッチは大電流なのでMOSFETを実回路では12個並列に使い逆起電力対策、逆流防止ダイオード数点とFETのG端子への分圧用の抵抗や突入電流防止用の電球などは入る回路です。
【組み立て開始】
ということで、組み立てて行きましょう。
このキットは、初期型なのでこの後にでたバージョンではもっと良い基盤になっているようです。
まずは、大電流が流れる部分の銅箔パターンに補強に太めの銅線をハンダ付けします。
銅線と銅パターンに熱をどんどん吸われますので40Wハンダごてを使います。
指示通りに逆流防止ダイオードや逆起電力解放用のダイオードを取り付けます。
抵抗やらコンデンサやらFETを取り付けます。
酸化と銅パターンの熱吸収の良さでハンダが乗りにくい感じでした。
基盤が出来たのであとは、ケースに組み込みながらスイッチやらの配線です。
アルミケースです。
でかい電解コンデンサを取り付ける台座を作ります。
- コンデンサ固定用に下部に転がり防止用のパイプをUVレジンで固定。
- 基盤固定用金具取り付け
- 電源部のプラグメス取り付け
- フットスイッチ用の配線
- 電極ラインの配線
と穴開けたり忙しくなってきました。
基盤はこのように3ミリネジで固定します。
電源LEDを作ります。電流制限抵抗をLEDに直接ハンダ付けして絶縁用のチューブを通します。
電源が24Vなので、約20mA流として約1KΩの抵抗を入れておきます。
LEDは手持ちで一山いくらで買ったもの。テスターで測った順方向電圧は約1.73Vぐらいでした。
電源に並列に配線して電源ONで点灯確認。
このキットは、電解コンデンサを充電中にランプが点灯するので確認用の窓を作ります。穴を開けてからUVレジンを流し込んで固めておきます。
コンデンサ以外の配線完了。電球は窓の隣辺りに設置しました。突入電流を防ぐ役割があります。
スポット溶接機(制作中)正面です。
フットスイッチのケーブルをプラグ仕様にする為に加工します。
ワイヤーストリッパーがとても役立ちます。
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細い線用のストリッパーがあると作業がとても捗ります。
黒線は使わないのでカットして赤と白のケーブルを向きます。
ねじってからハンダ付けして熱圧着チューブで絶縁。
さらに、黄色の太めの熱圧着チューブで補強します。
抜け止めになっているタイプ。コネクタにしておくとしまうときは脱着出来ます。
内部の様子です。あとは、デカイ電解コンデンサを取り付けます。
端子は、8ミリボルトで固定するごっつい奴です。
組み込みますがコンデンサに合わせてケースを選んだのでギリギリ。
中身はほぼ、電解コンデンサで圧倒されています。
これで、とりあえずは動作確認です。
廃電池でとりあえず、テスト溶接。
充電ランプが消えたら
フットスイッチを踏んで、ちぇすとおおおおおお!あれ。何も起こらない、、変だぞ、、
それなりに、各部をチェックしながら組み立てなのですがどこかにエラーがあるようです。
ただちに動作不良の原因を究明します。
原因が、判明しました。
原因は、ピンク丸の箇所のハンダがハミ出ていて、MOSFETのG(ゲート)がグランドにショートしていたのでFETがONにならない事態になっていました。
FETをONにするためにフットスイッチをONにしても何もおきないワケです。
修正して修理完了。
スポット溶接機テスト開始
それでは、気を取り直してテスト溶接をしましょう。
今度は、バチっと出来ました。ついたどおおおお
1回で2カ所できるので4カ所をスポット溶接。かなり強固についていて簡単には剥がれません。さらに、強力にするには中央に切れ込み入れると良いかも。
テスト溶接が成功したので、最終組立します。
基盤面に絶縁用のPPシートを挟みます。電解コンデンサの端子部分にもPPシートを入れます。
上部から。コンデンサの上面には、ゴムクッションを入れてケースと密着固定しておきました。
24VのAC-DCアダプター端子。40V程度まで電圧を上げるとさらにパワーアップできますので
厚板用の高電圧タイプのアダプターも用意しておくとタブ選定の幅が広がりそうです。
フットスイッチです。コンデンサに電荷チャージ後、これを踏むと溶接されます。
電極です。銅棒にビニールホースを填めた物。
コンデンサ式スポット溶接機完成
これで、次は組み電池(バッテリーパック)の制作の行程に進めます。
一旦、WEBマスターは何を作ろうとしているのでしょう。
続編できました。
→【DIY】太陽光発電用リチウムイオン電池を作る【組電池】