【DIY修理】家庭用溶接機レッドゴー120の修理【溶接】

【DIY修理】家庭用溶接機レッドゴー120の修理【溶接】

【状況】

今回は、溶接でくっつけたい物(異形丸鋼又は異形丸棒)があったので溶接機の事を考えていたら、倉庫の奥深くに、その昔、オヤジ殿がどこから譲り受けてきた古~い家庭用溶接機があったことを思い出した。
掘り出してみるとそれが、写真の溶接機『Red Go 120』だった。
この溶接機のレッドゴーとかネーミングセンスが良すぎですね(゜Д゜)ちょっと前に流行ったポケモンGOじゃないけどレッドGOですからね。正直、自分が溶接機メーカーの開発にいてもアークボーイとかはすぐに思いつきますけど(爆
ちょっと調べたら昔はやっぱりあったみたいですが今はアークファンになっています(^^;)
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肝心のRed Go 120ですが、発見された機種は、旧機種の様子でした。
ちょっと仕様とか外観を見ていきましょう。

■背面部

※100Vor200V切り替えは、ネジの位置を変えることで内部のスイッチが切り替わる仕組み。

背面の単相100V/単相200V切り替えの部分の仕様が変わっています。
切り替え自体は同じく出来ます。

交流アーク溶接機レッドー120の仕様(※旧式)

  • 型式:SSY-121R
  • 定格一時入力:5KVA
  • 定格一時電圧:100/200V単相
  • 定格周波数:50Hz
  • 定格使用率:10% (要は10分間の内1分使える)
  • 定格二次電流:110A
  • 二次無負荷電圧:40V
  • 二次負荷電圧:28V
  • 電流調整方式:可動鉄心
  • 鈴木産商株式会社

■特徴

1. 100V/200V兼用機ですので、電源電圧の状況に合わせた対応ができます。
2. 100V・15Aでも1.4φ/1.6φ(溶接棒スターロードB-1)を使用して板厚1.2mm~3.0mmの鉄板が溶接できますので、大変便利です。
3. 低電圧アーク溶接法を採用していますので、経済的で安全性が高く、小型・軽量化を可能にしました。
4. 可動鉄芯式で出力電流の調整が可能ですので、溶接物や溶接棒に最も適した条件で溶接していただけます。
5. 最大3.2φの溶接棒が使えますので、板厚7mmまで溶接が可能です。(200V・25A入力時)

簡単に説明すると、

■家庭用の100Vだけではなく例えば、エアコンとかIHコンロにも使われている200Vのハイパワーな電圧も使えるよ(^o^)

■ハンドルをグルグル回すと電流を調整できるから溶接したい物に合わせて溶接棒の太さを変えられるよ(^o^)

■200Vを使えばハイパワー溶接できるよ(^o^)

と言ったところです。

被覆溶接棒を使うオーソドックスなアーク溶接ができるってことですね(^o^)

いいね!ということで早速使うことにしましたが、何十年も眠っていた機械をいきなり電源投入するのはいろいろ不安なので分解点検修理をすることにしました。200Vで使いたいしね!
おそらく不具合はあるでしょう。

【修理開始】

外観もサビサビですからね、いきなりまともに動きそうもありません。
このハンドルを回すと中のゲージが動いて負荷電流を調整できます。

本体から出て来ているアースのケーブルなども付け根がボロボロなので位置を変えてやりたいと思ったのでまずは分解。

ハンドルをはずします。

外しました。

カバーは、上下に分離していて上側半分だけ開けられます。

出ましたよ(^o^)

かなりサビてますね。各端子はキレイです。
構造的には、簡単です。デカイ変圧器で家庭用の交流電源の電圧を30V程度の交流に下げているだけです。鉄心を動かせる構造なので変圧器のL成分(リアクタンス)を変化させられるので流れる電流を変化させられます。

機械的にトランスの鉄棒を出し入れして調整しているわけです。

ていうことで回すとキーキーしないように軸の部分に少量注油。スムーズに。

ホルダーとアースのコードの付け根が劣化してヒビ割れがあります。
これはちょっと奥にひっこませて位置を変えておきましょう。
同じ位置で使っていると、掃除機のホースなどと同じで付け根が傷みます。

プラスチックのパーツをマイナスドライバーで中からこじればはずせますので、痛みの激しい部分をちょっと中に押し込みます。こんな感じで。

これで割とケーブルのキレイな部分が付け根に移動できました。

■アースクリップ

磨いておきます。

溶接棒クリップは、異常なし。

■200vに電源切り替え

ネジを100vの穴からはずして200Vの穴にねじこみます。

■200V電源工事

WEBマスターは電気工事士なので以下の工事は自分で出来ます。

電気を一旦止めて、ブレーカーを200Vに切り替えます。

で屋根裏だのを2mmのVVFケーブルで引き回してきてさらにブレーカーを取り付けます。

これはほとんど開閉器代わり。

200V用の20Aコンセント取り付け。

誤って他の器具を差し込めないように200V用コンセントの取り付け。

■コネクタなどの緩みを確認

■動作確認

一旦ケースを仮締めしまして動作確認します。

■うまく電源がはいらない問題が発生

開閉器ONに。

シーン。んあれ。パイロットランプも点灯しないぞ、、

カチカチと何度か電源をONOFFしたがダメ。

■スイッチの活性化

もう一度、開腹してテスターでチェックすると電源200Vはスイッチのところまで
確実にきています。

ふーん、まぁ考えられることはいくつもあるのですが、怪しいのは経験上切り替えスイッチですね(^^;)
何十年か眠っていたので、スイッチの接触する部分が酸化して電気抵抗が増している状態です。
要は接触が悪いという状態に。

対策はあります!(^o^)
スイッチをひたすら動かすこと。

ネジをはずして横からマイナスドライバーでカチカチカチカチ20回以上動かして接点を活性化してやります。
これでダメなら分解して接点クリーニングなんですが、、ここはちょっとバラすと時間かかるなぁと思いつつカチカチカチカチ。

■無事に電源が入りました。

さて、どうかなと開閉器ON。

ぶーーーーんと音と共にパイロットランプ点灯しました。

電源が無事に入りました。

ぶーんとトランスが唸ります。

そういえば、新型はここの構造に変更がありましたね。
同じような状況になった個体が多かったのでしょう。

■では見せて貰おう。その実力とやらを。

いきなり難易度が高い異形丸棒10ミリの溶接に挑戦。

まだ、溶接作業台なんて作ってないしほんのお試し(^^;)

作ってる物自体はまた別の記事で。とりあえず溶接機の動作チェックと実力を見るためにはもってこい。

おお、ちゃんと溶けてますね。

200Vパワーはすごいです。1.6mmの溶接棒だと電流を絞らないと溶接棒自体が赤熱(゜Д゜)

2.0mmでもちゃんとアークでました。

こんな感じで何かのフックを作ってみました。

アークを飛ばすときは、溶接棒を地面に擦って0.5mmくらい中心の金属を出してやるとすぐに火花がでます。それを小刻みに鉄棒に擦ってアークを安定させます。マッチを擦るような感じでやるとアークが出るので溶接箇所に当てていきます。

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レッドゴー120は、50Hzタイプと60hzタイプがあるのでご注意を。
富士川から東の人は50Hzですよ!

電流は、目盛りでこれくらいで十分。
ブレーカーも落ちないで溶接できました。

家庭用溶接機の修理成功ですね(^o^)

溶接機ラックと小型溶接作業台辺りはほしいですね。
ケーブルがごっついのでキレイに収納したいし小道具が多いので一緒に仕舞えるラックは欲しいところです。

【修理完了】

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