今回は、前輪ブレーキパッドがかなり減ったので交換作業の追加でWEBマスターの足車の2st原付JOG-Zの前輪ディスクブレーキのオーバーホールを行いました。
作業内容は、
■ブレーキマスターシリンダーの分解、部品交換、再組み立て
■前輪ブレーキキャリパーのオーバーホール、ブレーキパッド交換
■ブレーキフルード再注入、エア抜き
おまけで、
■ホーン交換
と手間がかかる作業ばかりなのでまとまった時間が取れる時にやりたい作業です。
作業に先だって部品購入をしておきました。
■ブレーキパッド
これはキタコのブレーキパッド
■ブレーキフルード
■ブレーキマスタシリンダーの消耗部品一式
シリンダキット マスタ 5CG-W0041-00
■ブレーキキャリパーのシール一式(2ポッドキャリパーなので2本×2のセット)
キャリパシールキット 3YK-W0041-00
■ラバーグリス
スミコー FMラバーグリス PGF100
合成油ベースのリチウムグリースに有機モリブデンを配合した粘ちょう状グリースです。ゴムを侵さず、優れた耐熱・潤滑性と防錆力を発揮します。
■エア抜き用のブレーキフルードブリーダー
今回はブレーキフルードを抜きるのでエア抜きがかなり面倒な作業になりますが、これがあれば作業時間を大幅に短縮できます。
■キャリパーグルーブクリーナー
■スナップリングプライヤー
注意事項★作業心得★
※バイクといえどもブレーキのメンテナンスです。作業内容を頭に入れてスムーズに作業ができるように心がけて時間に余裕を持って作業してください。焦って作業を行ったり完了後の試走を怠ったりするとことになると大変危険です。
まずは、ブレーキマスターシリンダーを取り外せるようにフロントのカバーを脱着していきます。
全面のパネルは、左右ウインカーのネジを下から外しウィンカーを外すと、奥にネジでカバーがハンドルに固定されているのでネジを外す。
フロントパネルも脱着。
ここまで外したら、ブレーキフルードを抜き取ります。
キャリパーについているエア抜きバルブに耐油ホースを差し込んで8ミリのメガネレンチを緩めるとブレーキフルードがホースに出て来ます。
マスターシリンダーのフタをインパクトドライバーでネジを緩めて開けます。
ここは大抵、サビて固くなっているのでCRC556を吹きかけておくと良いです。
これでぶっ叩けば緩まないネジなんぞはありません(^^)
開けると、うにゅーんと伸びきったゴムのダイヤフラムがはまっておりはずすとブレーキフルードが見えます。やや茶色に変色。
マスターシリンダーのブレーキフルードは、ウエスに染みこませて吸い取ります。
空になったら12ミリのメガネレンチでブレーキホースをはずします。銅ワッシャーが前後にはまっているのでなくさないようにします。ブレーキフルードが出て来ますのでウエスでキャッチして垂らさないようにします。
ブレーキフルードは、飲むと有害ですが、手についても皮膚から吸収されないので害はないので大丈夫です。ただ、そのフルードがついた手で塗装面を触ると、フルードが塗装を犯すので注意が必要です。ただし、ブレーキフルードは、燃えるので火気は厳禁です。
マスターシリンダー外れました。
ある程度フルードを抜き取ったらキャリパーからブレーキホースを外します。
これで、2カ所の六角ネジを外せばキャリパーがはずれます。
キャリパー摘出完了。
これから、古いパッドを外してピストンを抜いて掃除してからシールゴムを交換します。
ブレーキパッドはこのピンを抜いてから、シャフトをはずします。
上から見たブレーキキャリパー。ブレーキパッドはこのように固定されています。
ブレーキパッドの厚みがなくなり薄っぺらになっています。
今回は、キタコのブレーキパッドを投入。
新旧フロントブレーキパッド
新品は、こんなに厚みがあります。
キャリパーからピストンを外します。1992年式JOG-Zは、イタリアの会社のブレンボの2ポッド対向キャリパーが採用されています。2ポッドのおかげかこの前輪ディスクブレーキはコントロール性がとても良くカクカクしたりカックンしにくいと思います。というか常になめらかです。
ピストンは、片側づつはずして行くと楽にできました。片側を外してメンテをしたら戻して反対側をはずしてメンテをして戻していきます。作業は、ウォータープライヤーで片側を挟んでポッドがでてこないようにしてから、ブレーキホースの穴から、エアーダスターで空気を送るとジワジワでてきます。
こんな感じででてきますのでここまで出ればあとは簡単にはずれます。
残っているフルードがでてくるのでウエスで拭き取ります。
はずしたポッドを見ると若干の汚れが付いているだけでした。2年おき程度でブレーキフルードを交換していたのでサビなどは特になし。ウィッシュ号も2年置きにブレーキフルードを交換していたのでサビはありませんでした。フルードの劣化に限らず防錆剤が切れないうちに(約2年)交換しておけば内部は綺麗な状態で保てるようです。
ピカールで磨けばもうツルツルツヤツヤに。
キャリパーの中のシールゴムを外します。
2本入ってます。太めと細めこれをキャリパーグルーブクリーナーではずします。
精密ドライバーのマイナスでもいいかも。
ゴムの溝の中も掃除できる優れものツールです。車もバイクにも使えるのでWEBマスターは買いました。
新品のキャリパーシールを装着します。
スミコーラバーグリスPGF-100をゴムシールに薄く塗布しておきます。
シールゴムを入れる方が面倒かも(^^;)
綺麗にしたピストンにも薄くグリスを塗ってハメ込みます。
また、反対側を取りだして両方、メンテナンスします。
シールを交換してピストンを戻したら、新品のブレーキパッドを装着します。
しっかり、元のように戻してバネをシャフトを入れてピンで固定します。
キャリパーも外側はともかく内部は綺麗になりました。
マスターシリンダーから、スナップリングプライヤーを使ってスナップリングを取り外します。
スナップリングの輪を縮めてやると取り外すことができます。ちょっとコツを掴むまで難しいかもしれません。
スナップリングを外せば、マスタシリンダーの中からピストンが出て来ます。
取り外した元の部品です。新しいパーツキットに入っていたゴム類を同じようにセットします。
外したマスターシリンダーのリザーブタンクです。なにやらカス状のものがついているので掃除しておきましょう。
新しいピストンにパッキンとOリングとスプリングセットしてラバーグリスを塗ります。
再組み立てしていきます。ブレーキフルードで塗装がいたんでいるので時間があれば再塗装とかしたいですね。
スナップリングを再びセットして固定します。
防水カバー用のゴムブーツをしっかりセットしておきます。中心にブレーキレバーが当たるので握るとピストンが押し込まれて油圧が発生します。
ピストンのセットが完了したら再びハンドルにブレーキマスターシリンダーを取り付けます。
ブレーキホースを接続します。
キャリパーを取り付けます。
銅ワッシャーを忘れずにセット。
ブレーキホースをキャリパーに接続。あとはブレーキフルードを入れてエア抜き作業をします。
ブレーキフルードをリザーバータンクに入れてエア抜き作業です。
エア抜き作業中の写真は、WEBマスターの手がふさがっていたので残念ながらナシ。
車のブレーキのエア抜きしたときの写真を持ってきました。やることは全く同じです。
ブレーキフルードブリーダーの吸引口をエア抜き口にセット。
ブリーダーのタンクについているレバーを握ると吸引開始で吸引中はずっと握りっています。
フルードまみれの手でカメラは触りたくないですからね、、
レバーを握ると、フルードが吸引されてくるのでマスターシリンダーのリザーバータンクのフルードを決して切らさないように補充しながらしばらく吸引します。
途中から、リザーバータンクのフルードの減りが早くなるのでホースやキャリパー内のエアがなくなったと考えて良いです。
エア抜きバルブを8ミリレンチで閉めたらエア抜きは完了です。
ブリーダーをはずしてホースをつないで手動でエア抜きしてみてもエアは出ませんでしたので作業OKです。
手動でのやり方は、8ミリレンチ開ける→ブレーキレバー握る→レンチ締める→ブレーキ離す。
この繰り返しになります。
ホースにワンェイバルブを付けるとレンチを開けたり閉めたりしなくても良いかもしれませんが、エア抜きバルブは根元から若干エアを噛むのでグリスを塗っておくと良いかもしれません。
しばらく繰り返してホースにエアが混ざらなくなれば完了です。
これで、ブレーキホースを含む油圧回路の中にはフルードだけが満たされて空気の泡がなくなりました。
エア抜き作業が終わったらリザーバーにフルードを満たしてゴムキャップをはめて完了。
バイクの場合はゴムキャップが重要ですので忘れずに。
これで前輪ブレーキメンテは完了です。
全面のカバーを開けたのでついでにホーンを交換しました。
ヤマハ純正だと、ピッピーっていう感じなのでもうちょっと強力なタイプに。
このネジを外して交換して締めるだけですがやはり旧車。スイッチの接触が悪かったのでスイッチを分解して接点をクリーニングしました。
ハンドルの左側のスイッチボックスを開けてホーンのスイッチに接点復活スプレーを接点に吹き付けます。これで1発で回復しました。
全面カウルを組み立てて完了です。
ブレーキレバーがしっかり固くなってフワフワしないか点検してから試走しましょう。
パッドも新品ですのでローターとの摺り合わせが必要なので密着するようになるばでしばらく制動力が落ちますので注意して乗りましょう。
【2st原付】前輪ブレーキのオーバーホール【YAMAHA★JOG-Z】
ママチャリのオーバーホール最終回です。いや~長かったですね(^^; ここまでバラして再組み立てすると今まで適当にやっていた調整などもしっかりやろうという気持ちになります。あらゆる部品がサビに強い耐久性が大幅にUPした部品に変わっています。
さて、残りの作業をやっていきましょう。
サーボブレーキにワイヤーを取り付けます。コツは、ブレーキのワイヤー取り付け部のレバーを手でひっぱった状態にしてワイヤーを通し、ボルトを締めます。手を離すと若干ワイヤーの弛みが取れていい感じになりますのであとは、調整ボルトでブレーキレバーの遊びを自分の好みに調整します。
このサーボブレーキのネジをちょっと締めて調整します。これはバンドとブレーキハブの隙間を調整します。
調整完了しました。
変速ワイヤーを取り付けます。
ジンクススプレーでサビ止めバッチになった金具を取り付けます。
金具を取り付けハブボルトで締め付けます。
この時にハブボルトが奥まで入らず、変速のバーを奥まで押し込めない事態になっている場合は、内装ギアの玉押しをもう少し締め込みます。
調整するときは、ハブボルトを一旦はずしてここから見える内装3段ギアの玉押しを調整します。
チェーンの張りを調整したりしていくと玉押しの再調整がやはり必要になると思います。
ここで内装ギアの玉押しをしっかりやっておかないと、ノリ味が悪くなるでしょう。
玉押し調整がしっかり出来るとハブボルトを締めても変速バーに干渉しません。
調整できたらワイヤーを通してキャップをはめます。
順番はスタンド、泥よけのステー、荷台のステーでハブボルトです。
上の写真の変速バーの線がわかりますか?これが2速の時に見えなくなるぐらいの位置が取り付け後の調整位置です。ここからシフターで変速具合をみて若干調整ボルトで調整すればOKです。
この調整は、走行テストしながら変速具合を確認しておきます。
クランクも磨いてピカピカになりました(^^
輝きがもどりました。
虫ゴムよりは耐久性が高いスペシャルバルブへ交換。
不正解錠されにくいディンプルキータイプの馬蹄錠にします。
馬蹄錠はやっすい奴には十分注意してください。簡単に開いてしまうモノもあります。
また、カチンと締まるときに出てくるわっかがほっそいタイプは曲げられてしまうので選定には注意してください。
悩むくらいなら、上の同じもの買ってくださいね(^o^)
荷台は、ステンレス製ではなく元のサビサビ荷台を再生したものを再利用です。
サンポール風呂でサビを落としてから、ピカールで磨き脱脂してからクリヤ塗装してます。
チェーンカバーもキレイになりました。トップコートにクリア塗装してます。
スタンドのバネを交換しました。
購入するときは、バネの長さのサイズがいくつかありますので計ってから買いましょう。
すっごく軽いアルミ製のカゴです。学生さん用ならステンレスのが丈夫で変形しにくいですね。
■前輪(オーバーホール後)
前輪もきれいになりました。
やっと、組み立て完成しました。塗装は地味目にしております。試乗後の感想は、ギアチェンジがとってもスムーズになりましたね。タイヤも新しいのでゴムが地面に食いつく感じが伝わります。
また、長く大事に使っていきましょうー☆
さて、5日目になりました(^^ ママチャリオーバーホールもかなり手間がかかりますね。今回バラバラに分解してみまして、サビがかなり発生している部品が多かったので、ステンレス部品やアルミカゴなど大幅にアップグレードしました。
分解取り外した直後はこんなにサビがひどかったフルチェーンカバーですが、
サンポールのお風呂に浸かってサビを落とし再塗装しました。
サビの上から塗れるカラーサビ鉄用スプレーで仕上げです。
トップコートは、高耐久クリアでOK。
これで丈夫なツヤツヤ塗膜になります。
サンポール風呂ですっかりサビが落ちた前輪ブレーキです。
シルバージンクススプレーでめっきとはちょっと違ったマットな質感の銀色になりました。
前輪ブレーキを組み付けます。前輪フォークもベアリングにグリスを塗布して組み済みです。
前後セットになっています。
ネジ類もセット。
フェンダーワイヤーを固定。
泥よけを新品に替えるだけでもキレイに見えてきます。ステンレスになっていますのでサビや腐食に強く長持ちします。
前輪ブレーキのゴムは新品交換。
新品のフェンダー(泥よけ)には、テールリフレクターがついていないので今回は、ソーラーパワーで日中充電して夜間は、走行中の振動で点滅するテールランプを取り付けます。
ネジ穴が開いていないので、マーキングしてから穴を開けます。
ハンドドリルでもOKですが旋盤があるので、サクッと穴開けします。
5ミリ程度でOK。
取り付けできました。
後輪の取り付け準備にはいります。まずは、チェーンカバーから取り付けます。かなりピカピカになりました(^o^)
メンテ前
メンテ後
ボロボロだったワッシャーをセット
右ワンをセット。
後輪を乗せます。
チェーン引きを取り付けます。
チェーンは、灯油で洗浄後、ギアオイルに漬けておきました。
右ワンをはめてからチェーンを通します。
前側スプロケットを仮入れしてチェーンを平針金でひっかけて引きます。
この平針金の先を曲げて使うと便利です(^^さて、これはなんでしょうか。
実は、クルマのワイパーの中に入っている平たい針金です。
自分でワイパーを交換したことある人は大体わかると思います。これが、長さもちょうど良くとても便利。
後輪側からするするっとワイヤーを入れて引き寄せます。
仮乗せしておいた後輪ホイールのスプロケットまで持ってきます。
チェーン引きは、最初に取り付けるのでセットしてOKです。
こんな感じにチェーンを持ってきます。
ここでチェーンのコマをセット。
なくしても安価でGETできます。
前輪はハブダイナモでしたが、ライトが壊れて点灯しなくなっていたそうなので、ライト新品に交換。
パナソニック ハブダイナモ専用ライトに交換。
後ろにスイッチがあるのでこれで、夜間センサー自動点灯か常につきっぱなしが切り替えできます。
コネクタをつないでタイヤを軽く回すと、点灯しました。ハブダイナモは正常でした。
ステーに固定します。
ハンドルに、ステンレスブラケットを取り付け。
ここがサビてる自転車多いですね(^^;)ステンレス製に交換します。
六角レンチ棒でハンドルも固定します。調整は最後にやります。
ブレーキレバーもアルミブレーキレバーに交換します。
ピカピカで軽やかです。
ギア
シフターもワイヤー付きの新品に交換します。
シフター取り付け。
モノタロウグリップ取り付け。
ちょっと石けん水でしめらせてねじりながら入れます。
これかなりにぎり心地が良いです。
新品になりました。
シフトワイヤーを通します。
ブレーキワイヤーです。
タイコを穴にセットして
ワイヤを溝に通してやれば
取り付け完了です。
ブレーキもワイヤールートを適切に確保してブレーキに接続します。
まだ、仮止めでOKです。
ワイヤーは長いので、適切なところでカットしてワイヤエンドキャンプをはめてかしめます。
後輪ブレーキも同じにレバーに通したら、
ブレーキルート確保します。
を行いました。自転車もかなり行程が多いですね(^^;)
【徹底分解】ママチャリのオーバーホール~4日目【DIY自転車整備】でした。
次回は、ママチャリオーバーホール~最終回です。